海やフェスから帰った夜、シャワーのお湯が分け目に当たった瞬間、ピリッとしみる。腕や顔には日焼け止めを塗っていたのに、頭のてっぺんだけ無防備だった——夏の後半になると、こういう「頭皮の日焼け」の相談が増えてきます。
頭皮は体の中でいちばん太陽に近いのに、いちばんケアを忘れられている場所です。日焼け直後の応急処置を間違えると、ヒリヒリが長引くだけでなく、そのあとの乾燥やフケ、髪のパサつきにまで尾を引くことがあります。気づいたその日にやるべきこと、やってはいけないこと、そして落ち着いたあとの立て直し方まで、順番に整理していきます。
なお、汗や皮脂によるベタつき・ニオイが気になっている方は、原因も対策も別ものなので夏の頭皮ベタつき・汗・ニオイ対策の記事をどうぞ。この記事では「紫外線と日焼け後の乾燥」に絞って話を進めます。
頭皮は体の中でいちばん日焼けしやすい場所
太陽は真上から照りつけます。つまり、直立して歩いている限り、頭頂部と分け目は常に紫外線の直撃を受け続けている場所です。顔が浴びる紫外線の2倍以上を頭皮が浴びているという指摘もあるほどで、「髪の毛があるから大丈夫」と思われがちですが、分け目やつむじ、生え際の頭皮はほとんど露出しています。
それなのに、頭皮に日焼け止めを塗る人はごく少数派です。腕や顔と同じ皮膚なのに、ノーガードで真夏の屋外に何時間もいる。冷静に考えるとかなり無茶なことをしているわけですが、髪に隠れて赤みが見えないぶん、焼けたことに本人が気づきにくいのが頭皮の厄介なところです。
これが出たら日焼けのサイン
頭皮の日焼けは、当日から数日かけてサインが出てきます。心当たりのある日の夜から、次のような変化がないかチェックしてみてください。
頭皮の日焼けサイン チェック
- シャンプーのお湯や指が分け目に触れるとヒリヒリする
- 分け目・つむじ・生え際が赤くなっている
- 頭皮に熱っぽさ、ほてりを感じる
- 数日後、フケのような細かい皮むけが出てきた
- 頭皮がつっぱる感じ、かゆみがある
- 髪の根元あたりがいつもより乾燥してパサつく
ヒリヒリと赤みは「軽いやけど」の状態、数日後の皮むけは日焼けした角質がはがれ落ちているサインです。ブラッシングのときに肩に落ちる白い粉を「急にフケ症になった」と勘違いする方が多いのですが、日焼け後の時期なら、その正体は焼けた頭皮の皮むけであることが少なくありません。
「ヒリヒリが治まれば終わり」ではない理由
日焼けの痛み自体は、たいてい数日で引きます。問題はそのあとです。
紫外線を浴びた頭皮は、表面のバリア機能がダメージを受けて、水分が抜けやすい状態になっています。ヒリヒリが治まったあとも乾燥だけが静かに続き、かゆみ・フケ・ごわつきといった形で秋口まで尾を引くことがあります。皮脂や汗のベタつきとは逆方向の、「乾いてめくれる」タイプの不調です。
また、毛髪の側から見ても、紫外線はキューティクルを傷めて髪のパサつきや退色の原因になりますし、頭皮の乾燥や炎症が続いた状態は髪が育つ環境として良いものではありません。「夏の終わりから秋にかけて抜け毛が増える気がする」という声は毎年よく聞きます。抜け毛には季節的な要因も含めてさまざまな理由が絡むので、紫外線だけのせいと断定はできませんが、頭皮が受けた夏のダメージを持ち越さないに越したことはない、というのが正直なところです。
焼けてしまった直後のアフターケア
「やってしまった」と気づいた日にどう動くかで、その後の経過はかなり変わります。ポイントは腕や顔の日焼けと同じで、冷やす・こすらない・保湿する、の3つです。
まずは冷やして熱を取る
ヒリヒリと熱っぽさがあるうちは、まず冷やします。冷たいシャワーを軽く当てる、濡らしたタオルや、タオルにくるんだ保冷剤を分け目にそっと当てる。氷や保冷剤を直接押し付けるのは刺激が強すぎるので避けてください。ほてりが落ち着くだけでも、その後のかゆみの出方が違ってきます。
当日のシャンプーは「ぬるめ・やさしく・爪を立てない」
日焼けした日の夜は、熱いお湯と強い洗浄力が大敵です。お湯は38度以下のぬるめにして、シャンプーはよく泡立ててから、指の腹で撫でるように洗います。普段ゴシゴシ洗いたい派の方も、この数日だけは我慢してください。ヒリつきが強い日は、お湯だけで軽く流して終わりにする判断もありです。
ドライヤーも要注意です。熱風を至近距離で当てると、日焼けした頭皮には追い打ちになります。20センチ以上離して、温度を下げるか冷風多めで乾かしてください。
落ち着いてきたら保湿でバリアを立て直す
ほてりが引いたら、次は保湿です。頭皮用の保湿ローションや、敏感肌向けの化粧水を分け目や生え際に軽くなじませて、失われた水分を補います。顔用の低刺激な化粧水で代用している方も多いですが、アルコールが強いものやメントール入りの爽快系トニックは、日焼け直後の頭皮にはしみるのでやめておきましょう。ここで1〜2週間しっかり保湿を続けられるかどうかが、秋に乾燥とフケを持ち越すかどうかの分かれ目になります。
日焼け後にやってはいけないこと
- 皮むけを指やブラシで無理にはがすのはNG。下の皮膚がまだ回復途中なので、自然にはがれるのを待ちます
- 日焼け直後のカラー・パーマは頭皮への刺激が強く、しみたり荒れたりしやすいタイミング。1〜2週間は空けるのが無難です
- 水ぶくれができている、痛みが強い、広範囲に腫れているといった場合は市販ケアで粘らず、皮膚科を受診してください
そもそも焼かないために。明日からできる予防策
アフターケアより確実なのは、焼かないことです。頭皮の紫外線対策は、実は顔よりずっと簡単で、道具に頼れる部分が大きいです。
いちばん確実なのは帽子と日傘
身も蓋もない話ですが、つばの広い帽子をかぶるのがいちばん確実です。頭皮だけでなく髪も顔も一緒に守れます。通気性のいい麦わら系やメッシュ素材を選べば、蒸れによるベタつきの心配も減らせます。帽子をかぶりたくない日やかぶれない場面では、日傘でも十分に効果があります。
髪にも使えるUVスプレーを分け目に
帽子も日傘も使えない日の保険が、髪・頭皮用のUVスプレーです。ドラッグストアで手に入りますし、朝のスタイリングの最後に分け目とつむじを中心にひと吹きするだけ。汗をかいた日は効果が落ちるので、長時間の外出ならかけ直し用に持ち歩くとより安心です。顔用の日焼け止めクリームを頭皮に塗り込むのは、毛穴詰まりと洗い残しのもとになるのでおすすめしません。
分け目をときどき変える
地味ですが効く小ワザとして、分け目の位置をときどき変える方法があります。いつも同じ分け目だと、その一本線だけが集中的に焼かれ続けます。数センチずらすだけで、同じ場所への直撃を避けられます。ジグザグに分けるだけでも違います。
日焼け後の頭皮に、ヘッドスパでできること
セルフケアで応急処置と予防はできますが、「ヒリヒリは治まったけれど、乾燥とごわつきが残っている」「夏のダメージをちゃんとリセットしたい」という段階になると、プロの手を借りる価値が出てきます。
日焼け後の頭皮に向いているのは、炭酸洗浄のような「しっかり落とす」系よりも、クリームバスやオイルを使った「保湿してほぐす」系のヘッドスパです。クリームバスはインドネシア・バリ島に伝わる伝統的な頭皮ケアで、保湿成分を含んだクリームを頭皮と髪全体に行き渡らせながら、じっくりマッサージしていく施術です。乾燥してこわばった頭皮に水分と油分を補いながら、マッサージで頭皮を柔らかくほぐし、血行を促していく。夏の紫外線で乾いた頭皮の立て直しとして、理にかなった組み合わせだと思います。
もうひとつ、個人的に夏のヘッドスパを勧めたい理由が「頭皮の状態を人に見てもらえる」ことです。頭皮は自分では見えません。日焼けの赤みがどの程度残っているのか、乾燥がどこまで進んでいるのか、施術前にプロの目でチェックしてもらえるのは、鏡では絶対にできない答え合わせです。
日焼け後のヘッドスパで期待できること
- クリームバスやオイルスパで、乾燥した頭皮に水分と油分を補えます
- マッサージで頭皮のこわばりがほぐれ、血行が促されて回復しやすい環境づくりにつながります
- 自分では見えない頭皮の日焼け・乾燥の程度をプロにチェックしてもらえます
- 首や肩まで含めてほぐしてもらえるので、夏の疲れごとリセットできます
ヘッドスパに行くタイミングの注意
- ヒリヒリ・赤みが残っているうちの施術はNG。マッサージや薬剤の刺激が逆効果になります。日焼けの炎症が落ち着いてから(目安として1〜2週間後)にしましょう
- 予約時に「頭皮を日焼けした」と伝えておくと、当日の頭皮の状態に合わせて施術を調整してもらえます
保湿ケアで選ぶなら。東京のヘッドスパ3店舗
日焼け後の立て直しでサロンを選ぶなら、見るポイントは2つです。クリームバスやオイルなど保湿系のメニューがあること、そして施術前に頭皮の状態を見てもらえること。都内で系統の違う3店舗を挙げるので、通いやすさと好みで選んでみてください。
皇帝の息抜き(新宿御苑前)——漢方アロマで「外と内」から立て直す
当サイトで何度も取材している、新宿御苑近くのヘッドスパ専門店です。漢方アロマを使った施術で、頭皮への外からのアプローチと、香りを通じた内側からのケアを同時に行うのが特徴。夏は紫外線だけでなく、冷房と暑さの寒暖差で自律神経も乱れがちな季節です。凝っているところ・弱っているところを見極めてピンポイントでほぐしていくスタイルなので、「日焼けあとの頭皮をいたわりつつ、夏バテ気味の体ごと整えたい」という方にいちばん合うと思います。
系統: ウェットスパ(漢方炭酸シャワーヘッドスパ 60分/90分)
空き状況・クーポンはホットペッパービューティーで確認できます
ラビクール 銀座店(銀座)——オリジナルクリームと頭浸浴の完全個室スパ
銀座駅から徒歩5分、7つの部屋がそれぞれ違うアート空間になっているヘッドスパ専門店です。オリジナルクリームを使ったクリームバス系の施術と頭浸浴を組み合わせられるのが持ち味で、今回のテーマである「保湿しながらほぐす」に真正面から応えてくれるサロンです。フルフラットのシャンプー台と完全個室で、首・肩・デコルテまでケアしてもらえます。60分から120分までコース幅が広いので、ダメージの度合いと予算に合わせて選びやすいのもポイントです。
系統: ウェットスパ(クリームバス・頭浸浴・完全個室)
コース詳細・空き状況はホットペッパービューティーで確認できます
エレノア スパ&トリートメント 新宿(新宿三丁目)——美容室でクリームバスと髪のケアを一度に
新宿三丁目駅からすぐの、ヘッドスパに力を入れている美容室です。専門店ではなく美容室ですが、個室のフルフラットシャンプー台でクリームバスやオーガニック系スパを受けられる、スパ特化型のサロンです。ここを挙げた理由はひとつで、紫外線のダメージは頭皮だけでなく髪にも及ぶから。日焼けでパサついた髪のトリートメントと頭皮の保湿ケアを一度に済ませたい方には、専門店よりむしろ効率のいい選択肢になります。カット等のついでに頼めるのも美容室ならではです。
系統: 美容室のスパ特化型(クリームバス・オーガニックスパ・個室フルフラット)
メニュー・クーポンはホットペッパービューティーで確認できます
まとめ
頭皮は体の中でいちばん紫外線を浴びているのに、いちばん対策を忘れられている場所です。分け目のヒリヒリや赤みに気づいたら、まず冷やして、その日の夜はぬるま湯でやさしく洗い、ほてりが引いたら保湿でバリアを立て直す。この初動だけで、乾燥やフケを秋まで引きずるかどうかが変わってきます。
これから外に出る日は、帽子か日傘、それが難しければUVスプレーを分け目にひと吹き。分け目の位置をときどき変えるだけでも、同じ場所への直撃は避けられます。予防は道具でほぼ解決できるので、大げさに構える必要はありません。
そして、ヒリヒリが落ち着いたあとに乾燥やごわつきが残っているなら、クリームバスなど保湿系のヘッドスパで一度リセットしておくと、秋からの頭皮と髪のコンディションがぐっと楽になります。自分では見えない頭皮こそ、夏の終わりに一度プロの目で見てもらってください。「今年もよく焼けましたね」と笑われるくらいの気持ちで行くのがちょうどいいと思います。


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